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ホワイトバンド

-Diary- 2005/09/11 (Sun) 23:39
選挙の陰に隠れてあまり話題にならなかったと思われるホワイトバンドの話題です。この運動、今週14日から国連で行われるミレニアム+5サミットに向けて、英国を発祥に世界各国に広がったものですが、日米2カ国では、同じくホワイトバンドをつける運動でありながら全く異質のものとなっており、この両国ではスローガンまで、世界共通のものとは違うものを使っています。

本家本元の英国をはじめ、日米を除く全世界におけるホワイトバンド運動の基本コンセプトは「貧困を歴史にしてしまおう」(Make Poverty History)ということです。貧困撲滅のための政策と称して、「公正な貿易」「貧困国への債務免除」「より多くより実質的な援助」の3点を先進国に要求する運動を各国で展開しています。

米国のスローガンはシンプルそのもの。「ONE」です。その意味するところは、「我々がひとつになれば、アフリカ、アジア、アメリカなどで、極度の貧困、飢餓、エイズと戦うことができる。しかし、1人でもより多くの人が、言葉が、声が加わることで、数百万人の生死の境にある人たちを救う助けになる。だから我々は、みなさんにお金ではなく声を求めている」というものです。ホワイトバンドを身につけることが、アメリカ市民としての連帯を表すものとされているのであって、他国のような、政府への政策要求を意味するものとはかなり意味合いの異なるものとなっています。

一方、日本のスローガンは「ほっとけない、世界のまずしさ」というもの。実は、一番のくせものがこの日本の運動です。英国発祥の「貧困を歴史にしてしまおう」運動と、米国の「市民として連帯しよう」運動との両方をごっちゃにしてあいまいに進めている観があります。つまり、政府への政策要求もやる。一方、NGOへの援助もやる。他国では120円程度で買えるホワイトバンドが日本では倍以上の300円で売られていることをみても、他国の倍のことをやろうとしていることが見て取れます。それもそのはず。そもそも日本のNGOは、ホワイトバンドの運動がなくても特定の政党の影響のもと、本業そっちのけで政治に関わってきたものばかり。NGOへの援助イコール政府への政策要求という構図のもとでは、そもそも英国式と米国式との違いすら分からなくとも不思議ではありません。

実際、日曜日に私が芝公園に行ってみて、そこにブースを出している人たちと話をしてみて実感したのは、彼らは自分たち自身の活動内容をまるで把握していないということ。北朝鮮の「羅先」というところで子供たちの栄養食支援をやっている、と自称する団体の人に、「羅先」とはどういう場所なのかを聞いてみたところ、地図を指して「ここにあるナソン市という街で云々」と説明を始める。ここは元々は、あの改革開放第1号地区の「羅津・先鋒地区」であり、その頭文字をとってつい最近「羅先市」と改名した地区だが、そのことを指摘すると驚いた顔をして「よくご存知ですね」などと言う。その程度の常識もない団体が、果たして北朝鮮の出してくる情報の真偽をどうやって判断しているというのだろうか・・・。

他の団体も見て回ったけど、「フェアトレード」と称して途上国産のポテトチップスを売るという呆れた団体もありました。そもそも飢餓国でも国民を十分養える食物を生産していながら、債務の利息の返済のためにせっかく生産した食料を売らざるを得ないために飢餓が発生しているという基本が全く分かっていない。その原料のポテトを日本に輸出せずに現地で消費していれば何人の命が救えたろうか・・・。極めつけは「PSYMIN」なる団体のブース。活動内容の紹介は一切なく、ただ自分たちの作ったPSYMINシャツとホワイトバンドを売るのみ。気になったので、あとで調べてみて驚きました。イベント企画・運営などを本業とする「株式会社」だったのです!!!

あの芝公園に並んだブースの中で唯一、まともだったのは「ミリオンフェイス」という武器規制団体。飢餓国の債務の内容の大きな部分を占めるのが武器の購入費であることをちゃんと示し、武器の規制こそが飢餓・貧困撲滅への道だということを明らかにしています。そして、武器の輸出国トップ5が国連常任理事国5カ国とイコールであり、彼らに働きかけるために、国連ビルを100万人の「笑顔署名」で取り囲むべく署名者を募るという彼らの活動内容は、実に理にかなっており、日本のホワイトバンド活動の中の唯一の良心といっても過言ではないと思いました。

ということで、そのミリオンフェイスのブースでホワイトバンド4個とTシャツを購入。あとは全く興味なしとばかりに帰宅したのでした。私は遅めの夏休みということで、月曜日から5日間、ロサンゼルスに旅行します。とりあえずミリオンフェイスで買ったホワイトバンドも持参しつつ、もし機会があれば、米国版のONEホワイトバンドを買って帰りたいものだと思いました。

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「天使の街」旅行記

-Diary- 2005/09/20 (Tue) 23:00
スペイン語の「天使」(los angeles)という言葉に由来するアメリカ西海岸の街、ロサンゼルス(Los Angeles)に、先週行ってきました。10年前の韓国、2年前のシンガポールに続く三度目の海外旅行ですが、今回は、初の欧米とあって、貴重な体験がたくさんできた気がします。

まず驚いたのが、空港から市の中心部までに広がる光景。日本や韓国、シンガポールなどで都会と言えば必ず見掛けるマンション(英語ではコンドミニアムっていうんでしたっけ…)が全くなく、一般家屋はほとんどが一軒家、それもコンクリート壁が剥き出しの、あまり美しくはない建物ばかりです。都心のビル群はさすが全米第2の都市らしい立派なものですが、そこからほんの10分ほど電車で行けば、もう、そういう貧しい田舎町が広がっていました。

街の中は、日中出歩く分には平気なのですが日没近くなると雰囲気が一変します。道端に座って紙コップを振り、中の小銭をジャラジャラさせながら「ハロー!」と叫ぶ者。歩道に直接布団を敷いて寝る者。何やら早口でまくし立てる声。治安の悪さを実感させられます。日没を過ぎてからは出歩かないようにしていましたが、すぐ近くの道を一日に何度も緊急車両がサイレンを鳴らせて往復していて、実に騒がしいところでした。

世界の富の3割を独り占めする国、世界の大富豪のほとんどが暮らす国、しかし、よく考えてみると、一人当たりの国民所得は日本やシンガポールと大差ないわけだから、世界的大富豪が平均を押し上げている部分を除けばどうなのかは推して知るべきでした。これが「貧富の差」というものでしょうか。競争社会の「敗者」の様子が一目瞭然。まさに「欧米」の世界でした。

そのことを最も強く痛感したのは、アメリカで通用する通貨の種類を見たときです。

「アメリカはドルに決まってるじゃん」と言われそうですが、その1ドル110円程度のお金が「紙幣」であることの意味をよく考えてほしい。1ドル硬貨も一応存在はしているようですが、少なくとも私はただの一度も見ませんでした。現実に流通しているお金は、硬貨は1、5、10、25セントの四種類のみ。紙幣は1、5、10、20ドルの四種類のみです。紙幣のほうはアニマルプラネットの芸で、客の1ドル札を鳥がくわえて舞台に戻ったあとの司会者の、「それではこちらのお客さんの中で20ドル札をお持ちの方はいませんか?」という言葉が冗談として成立していたことから見て、20ドル札が一般に通用する最高額紙幣であることは間違いないようです。実際、入国前に円から両替したときにも、わずか数万円のお金が山のような20ドル札の束に化けて出てきて驚いたものでした。

これが、アメリカの一般庶民の現実だったんですね・・・

ロサンゼルスに行く直前、アメリカではハリケーン「カトリーナ」によってニューオーリンズ周辺が壊滅しました。まるで途上国の自然災害のような惨状に強烈な違和感を持ったものでしたが、実際、ロサンゼルスで庶民の生活をまのあたりにして、大いに納得するとともに、こんな欧米ではなくアジアの日本に生まれたことの幸運を思わずにはいられませんでした。帰国してすぐ、自宅に帰るよりも先に新橋の路上でいつもの天使みひろっち☆様のライブを見に行ったのですが、名前だけの「天使の街」よりも「新橋の天使」のほうがどれだけ素晴らしいか、夜になると満足に出歩けない街よりも夜遅くまで安心して遊べる街のほうがどれだけ素晴らしいか、改めて実感した旅の終わりでした。

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